novel

□伝えたい言葉
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エルレインによる歴史介入を阻止しようとするカイル達は今、天地戦争時代から帰還し新たにハロルドを仲間に加えてハイデルベルクを目指していた。



「うぅ……寒すぎだろ!おいジューダスどういうつもりだぁ!?」

しかし何故か一行は吹雪が鳴り止まない白い大地で震えていた。
傍には調子を悪くしたらしいイクシフォスラーが岩陰に停められている。

「仕方がないだろう、この雪だ。視界ゼロで突っ込んでそのまま死にたいのか?僕はそんなのごめんだがな」

いつものようにバカにした口調で冷たく吐き捨てられ、ロニも諦めたように口を閉じた。
その横ではハロルドが雪の中ではとりわけ目立つピンクの髪を揺らしながらイクシフォスラーを眺めている。

「ん〜推進装置がちょっとばかり凍り付いちゃったみたいねぇ」

「じゃあどうするの?」

今にも泣きそうな声でぶるぶる震えながらカイルが問う。薄着なのがこの地では恐ろしく痛々しく見える。

「そんな情けない声出さないでよね〜ま、あと一時間もしたら吹雪も治まるでしょ」

何もないようにハロルドは答え、さっさと近場の洞窟のような風が入らない場所へ行ってしまった。それに続いて皆一目散に後を追った。


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