過去ノ記憶

□悪い子
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昴「ハァッハァッ・・・ハァッ・・・」


守らなくちゃいけなかった

俺にとって、桜だけが光だった、希望だった、闇の中にいた俺に、光をくれた

俺は桜以外を信じてはいけなかった・・・

いけなかったはず・・・なのに・・・


俺の前に現れたあいつ、水城は、いつの間にか大切な人になっていた

信じる強さをくれた、泣く強さをくれた、弱さを受け入れてくれた

愛してはいけないのに、愛してしまった



昴「ハァッハァッ・・・ハァッ」


深紅に染まった空を見上げて、深紅に染まったその手を握りしめた

戦場に、弱さはいらない

俺は、桜を守る為の存在

ただの、機械ではないといけない

燃えるような赤い月に向かって手を翳した

届かないはずの手を伸ばした

信じる強さを与えてくれたのに、もう、一緒にはいられないんだ

桜と俺は二人で一つ

それが絶対的な理

誰にも覆せない

なのに・・・なのに・・・





































ひとり部屋で 膝を抱え
透んだ青に 満ちて
届かない 手を伸ばす  沈む真珠をみつめていた
許してと願ったら 鏡の中の君が笑ったんだ
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