IR

□奇妙な食卓へと
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テーブルを挟んで向かい合う。

音を立てて、豆乳をすする、君が居る。




食卓は、殺風景で、灰色だ。




君のすする豆乳の、紙パックの色もわからない。

豆乳が大嫌いな僕は、君の喉に欲情する。

僕の嫌いな液体を、うまそうに嚥下する、白い器官に欲情する。




ここは灰色で、噛み付きたい。




君は、豆乳をすする。

僕は、君に欲情する。

君という人間が、本当はどこにも居ないことに気付かぬよう、慎重に

僕は、君を、いと惜しく愛でる。




音を立てて、豆乳をすする、僕が居る。










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