IR

□弦楽(アリア)
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もし君が

僕を好きなふりをしてくれたら。

まぼろしでもしあわせでいられたのに。




僕も、君のこと好きなふりをするのに。




うそつきになれないから、独りになった。

僕らは、醜く、とても弱い。

純粋と愚鈍の間を行き来する。

変わることはなく、辿り着くこともない。




手をとった。

君は、温かだった。

ありがとう、と言った。

もう十分だった。

そう思おうとした。

ごめん、と言った。

離してやれなくて、ごめん、と言った。

この感情に、理由が無いことを知った。




君の手は、温かだった。









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