小説

□戒め
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手放すのが嫌で何度も何度も繋ぎ止めようとした。
でも君はそれにさえ気付いてくれなくて...





もうどれだけの時間、歩き回っただろう。
滅多に来ることの無い景色の中をひたすら足を休めることなく進み続ける。
行き交う人々は何食わぬ顔で避けようともしない者さえいる。
もう何人とぶつかったか知らないが、それでも歩き続ける。
時間が経つにつれ、疲労感が増す。
だが足は寧ろ探し始めた当初より早く動いている気さえする。
何故自分は気付けなかった
小さくともSOSのサインはあったはずだ
あんなに近くにいたのに
あんなに大切だと想っていたのに…

− 一体何処にいるんだ…玉藻!!! −

只ただ、無事でいることを祈りながら探すことしかできない自分がもどかしい






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玉藻が廃人になる辺りのお話。「目的地」と対になります

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