小説

□枯れた笑顔
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貴方が笑っているならそれでいいと思ってた…


いつもと変わらない昼下がり。
押し殺すような泣き声が聞こえてきた。
誰も来ないような庭の隅。
誰にも分からないように蹲って泣いていた。
いつもなら眩しい笑顔ばかりを向けてくるその人が。

「…タカ丸、さん?」
俺の呼びかけにびくりと肩を震わせ恐る恐る此方を見やる。
「…竹谷君……」
泣いていたと分かっているというのにそれでも涙を拭い笑おうとする。
「どうしたの?こんな所で…」
「どうしたの、はこっちのセリフですよ…どうしたんですか?」
俺の言葉に少し動きが止まったのが伺える。
嗚呼これはきっと…
「ん…なんでもないよ」
そう言って無理に作った笑顔。
そんな顔見たくない。
「……兵助、ですか?」
「え?」
聞き取れなかったのだろう、相手は泣き腫らした目できょとんと此方を見ている。
「兵助のせいで…泣いてるんでしょう?」
俺の言葉を聞いた途端、またほんの一瞬だけど泣きそうな顔になる。
この人はばれてないと思ってるのだろうか。
又すぐに無理した笑顔になる。
「違うよ、ちょっとこけただけ」
兵助とタカ丸さんが付き合ってるのは知ってる。
俺もタカ丸さんが好きだったが、兵助は大事な親友だし二人が幸せなら、タカ丸さんが笑顔で居てくれるなら隣に居るのが俺じゃなくてもいいと思った。
それなのに。

何があったかは知らないが愛しい人が、いつも笑顔で居て欲しい人が泣いている。
任せられると思った相手のせいで。

なんで

なんで

どうして


「タカ丸さん、俺…」

ならば俺が隣で笑顔にしたって構わないだろ?
なあ兵助…





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「BANANA*LOVERS」という企画サイトに投稿させて頂いた作品です。文章能力無いのに小説出すなってね^^^
まあ絵でも残念クオリティなんですが(笑)

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