小説

□星空の約束
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「ねぇねぇ短冊書こうよ〜!」
次の授業の準備をしていたというのにこいつは平気な顔で邪魔をする。
「なんで書かなきゃいけねぇんだ。俺は次の授業の準備で忙しいんだよ!」
俺の言葉に一瞬きょとんとしてまたすぐにへにゃりとした笑顔に戻る。
「だって今日七夕だよぉ〜?それに俺次授業ないし」
「っだぁああああ!!!!俺は次あるって言ってんだろうがっ!!そんなにやりたきゃ理事長んとこ行け!!!」
必要な荷物だけ手に取り、準備室から勢い良く出て行った。

*****

放課後、帰り仕度をすませるまでファイの姿を見なかった。
昼間言い過ぎたのだろうか?
いや、あいつがあれくらいでへこたれるとは思えない。
だがしかし…等とうんうん考え込んでいたら目の前に見知った金糸が揺れた。
「黒たん先生」
「な、なんだ…?」
いきなり現れ、いきなり呼ばれたのは初めてではないはずなのに何故か怯んでしまった。
「ね。これから暇?付き合ってほしい所があるんだけど」
「どこだ?短冊はいいのか?」
「うん、短冊はもういいんだぁ」
どうやら怒っている気配は無い様だが目的地への返答がないのが気になる。
しかし、昼間はあんな受け答えをしたし少しくらい裏があってもいいかと思い直しついていくことにした。
「遠いのか?」
「ううん、そんな遠くないよ」
いつもと変わらない笑顔で早く早くと俺の腕を引いていく。
その様はまるで子供のようで少し可笑しかった。



「ここだよ!」
薄暗くなった空の下で辿り着いたのは人気のない自然がそのまま残されたような小川の側
「川?」
「そ、ここで座って暫く話そ?」
じっと上目遣いで見てくるそれは意図してしているとしか思えない。
「…わかった」

それから日常の止め処ない話を、いつもと変わらない話を延々話した。

「あ!」
話の合間にいきなりファイが声を上げ、もう暗くなった夜空へと指を伸ばした。
「見てみて、黒りん!やっぱり、今日は綺麗に見えると思ったんだ」
何の事か分からず取り敢えず同じように天上を仰ぎ見た。
そこに広がっていたのは満天の星空とその中でも一際目を引く天の川だった。
「見事なもんだな…」
灯りのあまりない所だからなのか星その物の煌めきで眩しくも感じる。
「織姫様達はさ…」
ぽつりといきなり呟くものだから危うく聞きそびれそうになったが、敢えて聞き返しはしなかった。
「あの川に阻まれて一年に一回しか逢えないけど、出来ればおれ達はずっと一緒にいたいよね」
ちらりと横顔を覗き見れば少し泣きそうな顔をしてるもんだから、なんとなく横に置かれてた手に己のそれを重ねた。
「…例え離れたとしても探して傍にいてやる」
自分らしくはないような気はしたが、盗み見た相手の顔が思ったより幸せそうに見えたのでまぁいいかと納得した。



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はい、設定は堀鐔ですよっていわなくてもわかりますね^q^
なんだか話がまとまらないorz

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