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□権謀術数 −奏太side
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なんやかんや騒いでから僕は家路についた。
僕の家は学校から二駅程離れていて電車通学をしている。
帰宅ラッシュと時間がずれたのか電車内は空いていて僕は椅子に座ることができた。
家の最寄り駅に着いて家に向かった。

「ただいま〜。」
玄関を開けてホッと息を吐く。
しかし、置いてある靴を見てすぐに溜め息をついた。
「あら、お帰り。大変ね〜学生は。」
お母さんがリビングからひょっこり顔を出す。
「…お母さん、兄貴帰ってるの?」
「え、いるわよ〜愁太なら。部屋で寝てるけど。」
お母さんの言葉に安心してリビングに入ってカバンを下ろす。
ソファーに座ってテレビをつけて一息つく。
あぁ、平和だ…。
だけど、平和という物は長くは続かないらしい。
「あー、よく寝たー。母さんお茶頂戴。」
リビングの扉を開けて入って来たのは今一番売れていると言われている若手俳優、笹川アキラこと僕の兄貴である玉森愁太(タマモリ シュウタ)。
本当に僕の兄貴か疑ってしまうほどのイケメン。(お母さん曰く僕は中性的で兄貴は男らしいそうだ。)
身長も163程しかない僕とは違い180越えの長身でスタイルもいい。
まさに僕に喧嘩を売っている。
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