09/05の日記

15:45
柚穂と飛鳥。
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柚穂と飛鳥が何故か2人でいて初めて奏太達を見た話です。一応入学式です。












『続いて新入生代表のスピーチです。新入生代表、玉森奏太前へ』
『はい』
ここは真面目な雰囲気の入学式の会場。新入生達も至って真面目な雰囲気である。上級生も全員が真面目に行動している様に思える。
しかし、例外もいるわけでその中に舞台と反対側の正面入り口の上の部屋、通称機械室にいる2人の生徒がいた。
「やっと面倒くさい入学式が半分位すぎたぁ〜」
のびをしながらくたびれたように園寺飛鳥は言った。
「てかなんであたし等が担当入ってんだよ…。」
同じ様に欠伸をしながら市瀬柚穂も口を開いた。
2人とも本来なら入学式をサボって最近オープンした食べ放題のケーキ屋に行くつもりだったのだ。
「「鉤坂の野郎…!!」」
2人は生徒会長の鉤坂に呼び出されたのだ。それからあれよあれよと仕事を押し付けられ、今に至る。
「ねぇ、そろそろ反乱起こそうよ〜。鉤坂ぐらいなら倒せそうだけど」
「でもあっちは数が居るからな。流石に厳しいぞ」
飛鳥の言葉に柚穂が反論する。
何故か柚穂達の学校の生徒会長は力で決まる。2人は参加自体しなかったため、生徒会長には鉤坂という面倒くさい奴がなってしまった。
「あ、そろそろ終わるぞ」
柚穂の言葉で飛鳥も舞台の方へ目をやった。

『これからよろしくお願いします。…あ、言い忘れてました。僕生徒会長になりたいんで今の生徒会長前に出てくれません?早く学校を面白くしたいんで。』
奏太の言葉に会場が静まり返った。
しばらくしてから会場が一気にうるさくなった。

「ひゃあ〜、ゆーねぇタマモリ君」
「でも、さして強そうにも見えないし…。むしろあんなに可愛い顔してえげつないのか…?」

ワーワーうるさい軍団の中から現在生徒会長である鉤坂が出てきた。それを期にまた会場が静まり返った。
『お前みたいな女っぽい男がこの俺に勝てるのか?』
ニヤニヤ笑っている鉤坂は明らかに奏太をバカにしている。しかし、次の瞬間鉤坂は吹っ飛んだ。
奏太の蹴り一発で。

「…スゴい。アイツ」
「あの鉤坂を一発で…」

『野郎共やっちまえ!!』
No.2らしき男が軍団に叫ぶ。すると軍団が束になって奏太を襲いに行った。
『へぇこの僕に楯突くんだ。やられ役のくせに』
そう言う奏太は微笑んでいた。

機械室にはずっと幕を下ろせという命令がくだっていた。しかし、幕は下りない。2人とも機械室から見える光景を楽しんでいたのだ。
「なぁ、アイツが生徒会作るって言ったらどうする?」
楽しそうに笑いながら柚穂が飛鳥に聞いた。
「誘われたらはいろーかな。市瀬もだろ?ねぇ、市瀬見てみなよ〜。あの子あんな乱闘してるのに寝てる。よくメガネ落ちないなぁ。」
「あのポニテの子はウォークマンだな。あ〜ぁ、乱闘に参加しに行ったよ。派手な男の子。」
「…あれ、そう言えば実行委員止めに入んないね〜。」
「あぁ、飛鳥みなよ実行委員席に居る奴、あれ奥田だぞ。あ〜ぁ、楽しそうに笑っちゃって。アイツ絶対説教食らうって。」
「あ、かた着いたみたい。タマモリ君の圧勝だね。」
「なぁ、飛鳥」
「なに?」
「変わるかな、この学校」
「絶対変わるでしょ。楽しくなりそうだし。珍しいね?市瀬がそんな事言うなんて。」
「…たまにはな。」
2人して笑った柚穂と飛鳥はまた会場の方に目を落とした。
「「あの子達の名前分かんないかな…」」
2人はいつになる事やら…と呟いた。

しかし、言うことを聞かなかったことで呼び出された2人は同じ様に呼び出された奥田百合と奏太、ポニテの子、メガネの子、乱闘に行った子に会い案外あっさり名前を聞けたのだった。

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