詩愛の詩。
□記憶
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「忘れたい。」
どんな思い出だって
後から思い出せば・・なんて
そんな事ある訳が無い。
あの記憶が
私の邪魔をしているの。
忘れるためなら
なんでもするわ。
忘れられるなら
どんな事でも。
さぁ、
痛みでこの過去を忘れましょう?
そう言ってはまた、繰り返す。
一瞬記憶を消した後、すぐに戻る強い感情。
虚無感。嫌悪。無力感。
脳内に、あの時が舞い戻る。
「・・痛い。」
そしてまた繰り返す。
円を描いて
一廻りしたはずの感情が
螺旋を描いて墜ちてゆく。
ただ。
ただ私は、
「過去を忘れたい」
だけだった。