詩愛の詩。

□不必要な痛み
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きっと痛みを伴うこの傷も
貴方の傷に比べれば
かすり傷にも
ならないのでしょう

「お前には一生分からない」
貴方の言った言葉が
私を嘲笑うかのように
頭から消えなくて

それでも近寄りたかったから
少しでも近くにいたかったから
私は自分を傷つけました

もっと痛みを知れば
貴方は
認めてくれるのでしょう?

まだ足りない
まだ足りない

もっともっと
血を流して
もっともっと
痣をつくって

それでも
貴方の受けた
「他人からの傷」には
届かなくて

貴方は
私を
「痛みを知らない人間だ」と
そういって
私から離れてしまう


行かないで。


この傷では
まだ足りないのなら

もっと、もっと。

どれだけ痛みを知れば
貴方と
話す権利が得られますか?

そう聞いた私に貴方は
「私」が
「私」では
なくなるほどに、と

笑って
そう言いました。

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