詩愛の文。
□後付け。
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夕暮れ時の教室に、一人の女子高生と教師がいた。
少女はなぜか何故か彼女の担任であるその教師に目をつけられていて、今日も一人居残りで説教を受けていた。
「反抗的だ」
教師は説教を聞くその少女の態度を見ては、それを理由にいつも彼女を教室に一人残させ説教を始めた。
なんとかこの場から抜け出す手はないかと考える少女の耳に、誰かの声が聞こえた。
『助けてあげるよ』
体の中から響くような声。
それと同時に芽生える衝動。
・・あ、
・・殺れるな。
目の前で大した理由も無く彼女を叱り続ける教師を見て少女は思った。
けれど。
・・駄目、だよ。
何考えてるの私。
急に芽生えた衝動に動揺し、必死で抑えようとする少女に、また声が響く。
『自分の中の「友達」が助けてくれたと思えばいい』
少女はそれでも何とか理性を保とうとしていた。
・・駄目だよ。
そうだ、昨日テレビのニュースに出てたあの人。
警官の唇を引き裂いた犯人。
あんな怖い事する人と、同じ事をしようとしてるんだよ、私。
そんなの・・
ふと、少女の頭に、事件を起こした時の犯人の様子が浮かぶ。
・・あぁ、そうか
あの人も
「友達」に助けて貰ったんだ。
少女は救われたかのような笑みを浮かべると、筆箱の中に入っていたカッターを取り出し、教師の喉元に向かって振り下ろした。