詩愛の詩。

□役立たずの人形。
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全ての人間は操り人形。
生きている限り
永遠に操られ続けるんだわ。
気付いていないのか
気付いているのに
気付かないふりをしているのか
誰も糸を切ろうとしない。

自分が自分でなくなれば
糸は切れると思っていたのに。
私の糸は何をしても
切れないの?
何度も何度も引っ張って
糸の絡んだ私の体から
血が滴っても
それでも切れない。
嫌よ。
愚かな操り人形で
一生を終えるなんて絶対に嫌。
どんなに痛くても良いわ。
糸が切れれば
私は自由になれるのだから。

私はまるで
壊れた人形のように糸を引き続けて。
私に絡んだ糸が赤く染まって
それでも引き続けて。

私は糸を切ったのよ。

私はやっと自由になれた。
もう私は
操られはしないわ。

それなのに
誰も気付かない。
操られ続けているのに
どうしてわからないの?
皆、私が動かないのは
私が壊れたせいだと思ってる。
どうして
私を可哀想だと言うの?
私は糸を切ったのよ。
私 は 糸 を 切 っ た の よ ?
貴方たちとは違う。
本当に自由になれたのに。

皆愚かだわ。
可哀想な操り人形。
皆操られたまま
狂い死にすればいいのよ。

なんと言われても構わないわ。
糸の切れた役立たずの操り人形。
私はそれで良いの。
このまま
誰も見向きしなくなっても
私は幸せよ?

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