詩愛の文。

□少女のお部屋。
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世の中なんて全てなくなってしまえばいいのに。
いいえ、世の中が無くならなくても、私が消えれば全ては私の前から消える。
その方がずっといいわ。

消えたい。
消えたい・・
だから私はここから消える。
さようなら。
私なんていなくてもどうせ誰も困らないのだから、きっと、誰も私を止めはしない。

そう思って私は薬を飲み干した。
遠ざかる意識。
でも、何かがおかしい。
最初、私は薬を飲みすぎて感覚がおかしくなったんだろうと思った。
でも、違った。
私のもたれかかっている部屋の壁が動いている。
いや、私を吸い込んでいる?
明るい部屋から暗いどこかへ。私は確かに吸い込まれていっていた。

どのくらいこうしていたんだろう。私にはもう、時間の感覚は無かった。
周りは真っ暗。
夢?
それにしては床らしきものの上に寝ているということをはっきり感じる。
どっちにしても、このままここで寝ていてもどうにもならない。
そう思って、私は立ち上がってみた。
光が見える。
けれど・・もしあそこが私の部屋につながっているなら、私は帰りたくはない。
ここで死んでも・・いい。
でも、もし私の部屋につながっていないなら、・・そんなことはありえないだろうけど。
その先を見てみたい・・。
私は光に向かって歩いていくことに決めた。
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