□LAST SONG
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清潔感が逆に気持ち悪い

真っ白な病室

遊びに来た紅い髪の死神さん

ベッドの近くにある椅子に座らせて

高い所に結いつけてある紐を解いて

櫛を通しながら

「今日はどんな感じに結ぶ?」

と聞くと

あなたは少し考えて

「お前に任す」

と笑った

「それが一番困るんだよー」

と言えば

「俺には判んねぇから」

と答え

私を見上げて 笑う

暫く髪を梳いていると

あなたは気持ちよさそうに

目を瞑って

そんなあなたに

私は後ろから抱き付くと

優しく 腕を撫でてくれる

ほっぺとほっぺをくっつけて

絡み合う手を見つめて

触れる互いの唇に

表現出来ない安堵感

離れた後も瞳を見つめ

「もうすぐ私も そっちに逝けるよね?」

あなたの頬を包んで問えば

「ゆっくりで良いから」

と微笑むあなた



こんなに愛した

あなたは遠く

目覚めた朝には

何処かへ消えて

不安を吐いては

泣きじゃくる

そんな事が無いように

「傍にいたいよ」

真剣な眼差し

奥には哀色

悲しくて

「ねぇ 聞いて?」

繋いだ手に口付けて

あなたはとても

大きな手

「俺はお前を望むけど 自らの死は望んでない」

ヒカル光はただ照らす

「お前がそれを望むなら」

歪んだ世界に一筋光る



「俺の在る意味が無いから」

こみ上げる感情を隠さずに

あなたにきつく抱き付いた

私をちゃんと受け止めて

心は痛い痛いと泣くけれど

私はもっともっとと抱き締める

「俺の理由を消さないで?」

「私の希望を消さないで?」

変わらぬ想いに

口付けを

この一瞬に

永遠を……


END


‐後書‐
どうもキャラが掴めて無いのか……。
真夜中になると何か暗かったり
切なかったり、しか浮かびません。
.
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