★文【パラレル】★

□最後のkiss《前編》
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この世には科学では説明出来ない存在があることは人々の間で言い伝えられてきた





例えば神話に出てくるような神や悪魔



おとぎ話に出てくるような妖精や怪物とか






全てが本当に存在すると言ったら大袈裟かもしれないが







こうして平和に生きている世界には




人間ではない生命体が





人間に知られること無く暮らしていた


















互いの環境を脅かすことなく






ひっそりと









暮らしていたはずだった・・・











.































都心部のほぼ中央に位置する、高層ビルその奥深くに存在する地下施設。存在すら知る者もいないだろうそこでは様々な生き物に様々な実験を施していた。
その中の一つの実験室から叫び声が聞こえた。声が聞こえなくなったと同時に背丈の大きな全身血塗れの大男が扉を開け、中から出てきた。


「どうだった」


外に立って待っていた白衣の男の言葉に大男は床に唾を吐き壁を殴った。


「ゼハハハハ・・・どうもこうも弱すぎる、コウモリ野郎は」
「はぁ、また殺したのかね。吸血鬼の存在は貴重なのだ。そう簡単に消してしまわれては仕事にならない」
「おめぇらが不老不死の事実を突き止めてぇって言うから名乗り出てやったんじゃねぇか」
「・・・」
「死んだらそいつは不老不死じゃねぇ。一番簡単にわかる方法だ。だろ?ゼハハハハ」


血が滴る顔を不気味に笑いながら拭うその大男の気迫に白衣の男はゴクリと息を飲む。


「恐ろしいよ、本当にお前は。生き残りのバンパイアハンターが存在したとは・・・お前を学会に発表したいぐらいだ」
「ゼハハハハ・・・いいぜぇ??その代わりにバンパイアの存在も肯定することになるがな」
「・・・」
「この実験は内密に、だろ?」
「・・・フン」


大男は更に地下にある実験室を目指し、エレベーターに乗り込んだ。


「言っておくが俺の才能を無駄にするな?地上にあがりゃあ、吸血鬼なんて腐るほど見付けられる」
「・・・」
「不老不死かどうかなんて、吸血鬼全員殺せばわかることなんだよ・・・ゼハ、ゼハハハハハハハ!!」


大男が悪魔のように笑ったかと思うと、エレベーターが静かなシステム音と共に閉じた。一人残った白衣の男は嫌な汗をハンカチで拭い先程殺戮の行われていた実験室を振り返る。


「・・・化け物め」


呟く男の目には明らかな嫌悪の色が見てとれた。
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