サイト一周年企画
□本能
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ドカァアアアアアン!!!!
金獅子のシキにうまく騙され、壮大な音をたてながらルフィはメルウ゛ィユに落ちた。
「いててて・・・」
痛いとは言ったがゴムの身体のルフィにダメージなどある筈がない。麦わら帽子を押さえながら無傷の身体についた汚れを叩き、上空を見上げる。シキもろともナミの姿が消えていた。そして仲間の姿も。
「くそぉ・・・!!なめやがって!!!!」
ドカンッ!!と怒りに任せて近くにある岩を叩き砕く。好き勝手された事が腹立たしく、ルフィは叫んだ。
それと同時に地響きが鳴り出す。
「・・・なんだ?」
ルフィがジャングルのような森へと目を向ける。先程の叫びと殴った音で呼び寄せてしまったのか奥の方から恐竜のトリケラトプスを連想させる体格の化物がルフィ目掛けて突進して来るではないか。よく見たらそれはトカゲのようだったが、どちらにせよ頭にある鋭い角で一突きされたらひとたまりもない。
「うああああああ!!!!」
しつこくトカゲに追われ、とりあえずお腹が空いていたルフィは、リュックの中にある弁当を食べるまで逃げることにしたのだった。
「はぁ、はぁ、くそーなんださっきの怪物は」
やっとの事でトカゲを撒いたルフィは息を切らしながらリュックに入っていた弁当と水筒の水を全て胃に収めた。
「でも飯も食ったし!!あいつら探さねぇとな!!!!」
食事をしただけで力のみなぎったルフィは不敵な笑みで立ち上がると、怪物だらけのジャングルに自ら入っていった。
・・・だがまだこの時ルフィは、一週間もこの森をさ迷うはめになるとは微塵も思っていなかったのである。
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