サイト一周年企画

□魂
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とある小さな島に流れ着いた一隻の小舟。そこから顔を覗かせたのはまだ若い少年だった。



「島に着いたぞ〜〜!!」



勢いよく船から飛び出した少年・・・名をルフィという。こう見えて海賊の船長を名乗っていた。そんな船長のルフィ率いる海賊団・・・といいたいところだが、未だにクルーは唯一人である。先日海賊になったばかりの元海賊狩りのロロノア・ゾロ。
二人とも航海術など持っておらず、毎回運だけで上陸を成していた。



「ん〜〜!!陸に着いた!!!!」
「はぁ・・・ったく、身体が鈍るぜ・・・」



小さな小舟では満足な鍛錬も出来ず、ゾロは久しぶりの陸に不満そうに大きな伸びをした。今回の上陸の目的はただ一つ。3日間何も口にしていないのだ。非常食でも積んでおかなければ今度こそ遭難してしまったら二人揃ってあの世行きだ。そんな間抜けな事はない。



「いいか、今度は計画的に食べるんだぞ」
「お〜〜!!」



暢気に返事をするルフィを睨むゾロは大袈裟に溜め息を吐いた。
ゾロを仲間に入れた街を出たその日にコビーに貰った非常食をルフィは食べ尽くしてしまったのだ。その時の絶望感を思い出すと今でも気が滅入る。所持金もタンマリあるわけでもないゾロはポケットで軽い音をたてるコインにまた溜め息を吐いた。そんなゾロを知ってか知らずかルフィは久々の島に興奮しているようだ。


・・・ったく、何処が海賊王だか


数日前のルフィの言葉を思い出し、ゾロは一人笑った。しかし、それと同時にきっと運命だったのだと感じていた。この男となら、どこまでも行けると根拠の無い自信だけがゾロの心を支配していた。


「ゾロ〜〜!!こっちこっち!!!!」



いつの間にか遠くに見える姿に軽く手をあげてゾロはゆっくりと歩き出した。



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