★文【パラレル】★
□そばにおいで
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ルフィがゾロを会社に入社させてすぐルフィにしては熱烈なアピールをし、長い時間を経て漸く二人は両思いになったつもりでいた。しかし、ゾロは顔が赤くなるもののそれ以上の行動を起こさず、ルフィの気持ちを真剣に汲んでやる気配すらない。
本当にゾロは告白を受けてくれたのだろうか?
「ゾロ・・まだわかんないのか?」
「ルっ・・・・ん、む」
ルフィはゾロの肩を掴み、少し荒々しくキスをする。
資料室といういつ誰が入ってくるかわからない空間で二人は密着していた。
ゾロはゾロで、鈍感過ぎるのか嫌がる素振りすら見せない。それがルフィの理性を狂わす原因とも知らずに。
「ん・・・・っル、フィ・・」
「・・・・っ」
軽いキスを何度も繰り返し、ゾロは少し上がった呼吸を整えながらルフィを見上げた。
「ゾロ・・俺言ったよな・・お前が好きで、離したくねぇって」
「・・・・あぁ」
「ゾロは後悔してるのか?俺の、恋人になったこと」
「・・・・」
「ゾロ・・」
「・・てねぇよ」
「え?」
「後悔なんかしたことねぇ」
淡い緑色の瞳を光らせてゾロが真剣にルフィの目を見つめる。
その瞳だけで、ルフィは満足したようだった。
ルフィはこれでもかというくらいゾロを抱き締め、今度は深いキスをした。
「んんっ・・・」
「・・・ゾ、ロ」
「はっ・・・・っ!!」
ルフィは呼吸の為に開いたゾロの口内に舌を捩じ込み、驚いたゾロが身を引こうとしたがびくともしなかった。
「ゾロ・・・・!!」
「まだ資料探してんのかよ!!おい!!」
ルフィの理性が切れ、ゾロを資料の棚に押し付けた時、扉の開く音がし、人の声が聞こえてきた。
驚き過ぎた二人は奥の引き出しの影に隠れた。
「あれ・・ナミさん、あいつ居ないよ」
「おかしいわね・・また迷子?・・・・あっ!!何よこれ!!」
入って来たのはゾロと同じ所属の庶務課のナミとゾロに資料を頼んだ開発課のサンジである。多分ゾロを心配して(迷子になっていないか)ここにやって来たのだろう。ゾロは心臓が向こうに聞こえるんじゃないかくらい煩く鳴っていた。
“くそ・・・早く出ていってくれ・・・・”
祈るようにナミ達の様子を覗こうとしたときルフィがシャツの中に手を入れた。
「ちょ・・バっ・・・」
「しー・・あいつらにバレちゃうよ?」
「じゃあ止めろ・・っ」
「やだ」
流されてると知りながらも、ゾロは拒む手に力を入れれなかった。
“止めて欲しくないのは、俺のほうか・・”
惚れたら負けとは良くいったものだ。近付いてくるルフィにこちらから顔を向け、ゾロはキスを受け入れた。
ピルルルルル!!
「「・・・・!!!!」」
途端にゾロの胸ポケットからけたたましい機械音が鳴り響く。
二人はあまりの出来事に固まるしかなかった。