★文【パラレル】★
□※もっと甘えて
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「38.5℃」
部屋に置いてあった体温計でゾロの体温を計る。もともと体温が高めだから大丈夫だというゾロにルフィは渋々警備の仕事を承諾したが、
「見回りは、俺がやるから」
「ふざけんな!!社長にやらせる訳にはいかねぇだろ!!」
次はどちらが警備に行くか喧嘩が始まったようだ。
「あぁ、そうかよ・・・でも」
痺れがきれたルフィは机に座っていたゾロの腕を掴んで無理矢理立たせた。
いきなり立ち上がったゾロは視界がぶれて机に手をつく。
立ち眩みが激しくゾロは俯いた。
「うっ・・・」
「そんな体調で警備の仕事が勤まるかよ!!」
「・・・っ」
「勤まったとしても、それは仕事じゃねぇ・・・仕事を、なめるなよ」
そう冷たく呟いてルフィは懐中電灯を片手に部屋から出ていってしまった。
そして何の異常も無く、見回りから帰ってきたルフィは部屋の片隅で俯いたゾロの元へ近づく。
「ゾロ?どうした、体調悪いのか?」
心配になってルフィはゾロを撫でる。顔をあげたゾロは熱のせいか目が潤んでいた。
「違う・・・」
「・・・なんだよ、・・・そりゃあ、さっきは言い過ぎたさ・・・でも」
「ルフィ」
名前を呼ばれてルフィは座り込む。
「ゾ」
「俺は・・・この会社じゃ要らないんじゃないか・・・?」
「は・・・?」
「・・・これといって何か出来る訳でもねぇし、皆に迷惑かけてばかりで・・・こうしてお前を、怒らせてる」
「・・・」
「お前が誘ってくれて嬉しかった・・・でもそれにすら応えられない俺が・・・不甲斐ない」
ゾロらしからぬ弱々しい言葉にルフィは懐中電灯を置いてゾロを抱きしめた。
「なに・・・言ってんだよ、ゾロ」
「・・・。」
「お前の事・・・そんな風に思ってる奴なんか一人もいねぇよ・・・!!」
「・・・ルフィ」
「俺だって・・・!!」
ガバッと抱きしめたままルフィはゾロを押し倒す。
「わっ・・・!!!!」
ドサッ・・・
倒れた二人のあまりの顔の近さにゾロは熱以外に顔が赤くなる。
「る、ルフィ・・・」
「ゾロ・・・ごめん」
「!!!!」
「俺、ゾロが大好きだった・・・だから側に居て欲しかった。俺だってゾロがこの会社に来てくれたとき嬉しかったんだ」
「・・・っ」
「でもそんなに・・・ゾロが苦しんでたなんて、俺知らなかった・・・っ」
「ルフィ・・・」
「ごめん・・・ごめん、ゾロ」
謝るルフィにゾロは優しく頭を撫でる。
「ルフィ・・・やめてくれ、それでも俺はここにいたい理由がある」
「・・・?」
「お前の・・・顔を見れないと、その・・辛いんだ・・・」
「!!それって・・・」
「2ヶ月間・・何処にいた?・・・もう、逢えないかと、」
「ゾロ!!!!」
ゾロが初めて自分に気持ちを打ち明けてくれたのが嬉しくて、ギュ〜〜ッと抱きしめる力を強くした。
「く、苦しい・・・」
「俺は嬉しいんだ!!!!ゾロ、素直になってくれて・・・なぁ、もっと、言ってくれ・・・」
「・・・っ///う・・・」
「ゾロ!!!!」
「ね、ねぇよ・・・もぅっ」
「しししし!!!!」
あまりの恥ずかしさに、ゾロはルフィを見ていられなくなり顔を背ける。
「は、あ!!!!」
すると急にルフィに自身を擦りあげられてゾロは息を吐いた。
「な、ななななにしやがる!!」
「だって・・・」
ルフィが見下ろす先には立派にそそりたつゾロ自身が。
「!!!!??」
「ゾロ・・・そんなに、したかったんだな♪」
「ちが、!!!!」
あまりにも勘違いしそうなルフィにゾロは焦って弁解しようとするが、それはルフィの唇によって塞がれてしまった。