サイト一周年企画
□愛し君
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「・・・珍しいわね、ルフィが私達にに相談、なんて」
「フフフ・・・私に出来ることなら、何でも言って?」
夕食後、皆食後の団欒を各自していたのだが紅茶を飲んでいたナミとロビンの元にやってきたのは、珍しく表情が暗い船長だった。ルフィの重々しい空気に楽しく会話していた二人は目を見合わせた後相談を聞くことにしたらしい。
「実は・・・」
口を開いたルフィの言葉に二人の目が丸くなったのは他のクルーの誰も、知らなかった。
それから、水槽のある部屋で3人は夜遅くまで話をしていたのだった。
「野郎共!!ロビンちゃん、ナミさん♪朝飯だぞ〜〜!!!!」
翌朝、キッチンから聞こえたサンジの声にクルー達が皆キッチンに集まる。皆に続こうと男部屋から出てきたゾロの手を掴む存在が。
「・・・?どうした、ルフィ」
振り返って見たのは珍しく真剣な表情のルフィに初めはドキッとしたゾロだったが、すぐに普段通りに接する。しかしルフィの手が緩まる事は無く。
少し動揺したゾロを知ってか知らずかルフィはその手を引っ張って顔をずいっと近付けた。あまりの近さにゾロは息を飲んだ。
「・・・っ!!!!」
「・・・あとで、話がある」
「え、」
しかしそれだけを言うとそのまま手を離してルフィは何事も無かったかのように男部屋を出て行ってしまった。暫くゾロはその場から動けなかった。
慌ただしい朝食も終わり、カチャカチャとサンジが洗う食器の音だけがキッチンに響く。ダイニングに残っていたウソップが隣にいたナミに話しかけた。
「今日なんかおかしくなかったか??」
「なにが??」
「ん〜〜・・・何て言うか、静か、というか」
ウソップが言葉に詰まるとサンジがナミの為に用意したコーヒーを机に置いて思い出したかのように会話に入った。
「・・・そういや、やけに大人しかったよな。ルフィが」
「「・・・」」
サンジの言葉にそれを言いたかったんだ!!とウソップはポンと手を叩く。そんな二人にナミはクスリと笑うと、読みかけの本を開いて呟いた。
「・・・今日はね、ルフィにとって、大事な日になるかもしれないのよ」
「「え??」」
ナミの言葉に首を傾げた二人に、またナミはクスリと笑うのだった。