サイト一周年企画

□たまには、ね
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それから数時間してミニメリー号は一つの孤島に上陸した。綺麗な砂浜が見渡せるここはどうやら無人島らしい。目で見て大きさが確認出来るぐらいの規模の島にルフィはブーイングをしだしたがゾロはそれを無視してブーツを脱いで海に足をつけた。


「おい!!ゾロぉ、もっとでけぇ島に行こうぜ!!!!」
「・・・やだよ、ここに来るまで何時間掛かってんだ。また二人で遭難なんて俺は勘弁だぜ」


ゾロは昔二人で旅していた事を言っているらしい。きっとここに来たのも偶然だっただろうルフィは反論出来ずに渋々ゾロに飛び付いて二人で島に足をつける。

ザザン・・・ザザン・・・
波の音しか聞こえない島の砂浜にゾロは腰を落とし、ルフィは岩の上から透き通る海の中を覗き込んでいた。いつもの慌ただしい毎日が嘘かのような穏やかな時間。最初はぼんやりルフィを見ていたゾロだったが、あまりにも平和過ぎて砂浜に寝転がると気持ち良い感覚に意識が遠退いていってしまった・・・。


「ゾロ〜〜!!ここスゲー魚沢山いるぞ!!!!釣りしよう!!釣り!!」


岩から飛び降りて寝転がっていたゾロの元へ走ってきたルフィは足をとめた。


「あれ?」
「グー・・・・・・」
「・・・」


砂浜で眠っているゾロはとても気持ち良さそうでルフィはゆっくり近付くと、そよそよ吹く風に揺れる緑頭をそっと撫でた。触れても眉一つ動かさないゾロを珍しく思いつつ、隣に腰を下ろす。


「・・・」


ただ海を見つめているだけで時間が過ぎていくが、ルフィは暇だとは言わなかった。きっととても贅沢な時間だったのだろう。
隣のゾロを見つめる。未だに体調が万全ではないらしい。チョッパーがルフィだけに話してくれた。普通の人間なら、まだベッドの住人だ、と。それほどの怪我を負いながら平然と過ごしているゾロに溜め息を吐いてこの島々に連れてきてくれたのはナミだった。


「愛されてるなぁ、お前」


ルフィは自分のことのように嬉しそうな表情でゾロに話しかける。そしてうっすらと口を開けて熟睡しているゾロにルフィは覆い被さっていた。
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