サイト一周年企画
□本能
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ズボンッッッ!!!!
シンシンと降る雪山に吹き飛ばされ落ちたゾロはちょうど新雪だったので身体を打ち付けたものの、怪我をせずに済んだ。真っ白な雪から覗く緑髪。
「いっ・・・てぇ・・・」
しかし生身の身体にこの衝撃はきついらしく、暫く動かなかった頭を持ち上げる。
ヒュルルルル・・・
そして聞こえた音に徐に手を伸ばすと、同じ空から時間差で落ちてきたチョッパーがすっぽり収まった。
「は、はれ・・・?」
思っていた衝撃が来ず、チョッパーは恐る恐る目を開けるとゾロと目があった。
「ゾ〜〜ロぉ〜〜!!!!」
「おいおい、泣くなよ男が」
そう言いながらも泣きついてきたチョッパーの背中を優しく撫でる姿はまるで兄弟のようだ。
「・・・これからどうしよう」
「・・・皆を探す。これじゃナミにまで辿り着けるかすらわからねぇ」
ゾロはそう言いながら辺り一面雪景色の山々を見渡す。チョッパーに匂いを聞こうかとしたが、この何もわからない状態で何を目指せばいいのか。自然と寄っていた眉を解すように目を閉じるとゾロは歩き出した。
「ゾ、ゾロ?」
「とりあえず歩こう。動けば何かあるだろ」
ザクザクと雪を踏み締めて歩くゾロの後をちょこちょこと追うチョッパーは不安そうに曇った空を見上げた。
「皆、無事かなぁ・・・」
・・・しかし、そう言った本人達がその後マンモスのような怪物に足を頼むものの一週間もの間雪山をさ迷うはめになったのであった。
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