サイト一周年企画

□囚われの魔獣
2ページ/11ページ


名も上がってきた麦わらのルフィ一味はとある島へ上陸した。とても栄えている街を中心とした立派な島に久しぶりに全員自由行動をとることにしたのだった。
そんな中、


「ルフィ、あんた達いつまで喧嘩してるの?」
「・・・」


ナミに声をかけられ余計にぶすーっと顔を膨らませながらいかにも不機嫌ですオーラを醸し出している我らが船長の顔には真新しい傷があった。つい昨日ゾロと喧嘩してしまったのだ。今日は久しぶりの上陸にウキウキとルフィはゾロと行動しようと思っていたのにあろうことかゾロは刀研ぎの為にブルックと出掛けるというものだからついカッとなって喧嘩になってしまったのだった。


「そんなに拗ねるぐらいなら謝ってくればいいじゃない、どうせあんたが悪いんでしょ」
「・・・違ぇよ・・・ゾロが悪い」
「・・・ハァ、まぁいいわ。私達先に行くから!!男性陣で船番決めといて〜〜」


ここは海賊、悪党相手に商売してるらしいからオープンでも大丈夫よ♪と、それだけ言うとナミはヒラヒラと手を降ってロビンと共に街に繰り出して行った。
ルフィが街を見ると、大きな建物が立ち並び港には明らかに海賊船が停泊している。海軍が黙っていないかとは思うが、このような島は周りに腐るほどあるといい全て取り締まることが出来ないそうだ。なにより、この島の住民の生活が無くなるだろう懸念もあってのことらしいが。


「つまんなそうだな〜〜・・・」


手摺にもたれ掛かりルフィはポツリと呟いた。ナミ達は買い物とカジノに行くらしい。お金が無ければ何の魅力もない島だ。そして暫くしてキッチンからサンジとチョッパーが出てきて買い出しに誘われたが、ルフィは首を振って断った。フランキーとウソップはなにやら部品を手に入れに行くらしい。そうなると自動的に残るのはルフィとゾロとブルックになる。


「ルフィ!!今日は珍しいものが沢山あるぞ!!一緒に行かねぇか?」


ウソップに呼ばれて返事をしようと顔を甲板に向けたときに、丁度船内から出てきたゾロと目が合った。


「む」


ルフィと同じように顔に傷が出来たゾロは目が合ったが、すぐに逸らしてまだ船内にいるだろうブルックに向かって声をかけた。


「・・・おい、ブルック早く行くぞ」
「ヨ、ヨホ、待ってください上手く変装が・・・」
「・・・〜〜!!!!」


余計に怒りが込み上げてきたルフィはサニー号から飛び降りて、ウソップ達の後を追って走り去ってしまった。


「・・・」
「ゾロさん・・・」
「・・・なんだ」
「やっぱり、変装が難しくて」
「・・・・・・」


所々骨が見え隠れするブルックの姿に流石にこの大きな街は無理かと一人溜め息を吐く。


「剣貸せ。俺が行ってきてやる・・・金も貸せよ」
「ヨホホホ、申し訳ないですね。ちゃんと船番はしときますんで」


ブルックは腰に差していた剣をゾロに渡す。受け取ったゾロは梯子を降りていった。


「ゾロさ〜〜ん」
「あぁ??」
「淋しいので早く帰って来て下さいね〜〜」
「・・・てめえは新妻か。金が余ったら飲みに行くから他にあたれ」
「え〜〜!!!!早く言っといて下さいよ!!!!」


ブルックの叫びを後ろに聞きながら、ゾロは街に繰り出して行ったのだった。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ