サイト一周年企画

□魂
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「ゾロ、あっちあっち!!」



どんどんと街から遠ざかり人気の無い森へ入っていくルフィをゾロは不思議に思いながらも素直に着いていった。



「買い物するんじゃねぇのか?」
「いいからいいから!!」



歩くルフィの背中を眺めていたゾロはふと感じた潮の香りに海が近いことを知る。
それからすぐに森が開けて小さな海岸が顔を出した。



「ルフィ?」
「ししししっ!!海に出ちまった!!」



出ちまったということはすなわち、迷ってたということか?
ゾロは訝しげにルフィを見つめていたらルフィは笑いながら頭の後ろで腕を組んだ。



「俺な〜〜、何処から歩いても海に出ちまうんだ!!」
「・・・・・・は?」
「絶対海に行かなきゃいけないんだよな!!きっと!!」
「へぇ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・なんだよ」



何故か不満そうな顔をしたルフィにゾロは眉を寄せる。



「ノリ悪いなぁ、ゾロ」
「あぁ??」
「知らねぇのか?悪魔の実を食べると海に嫌われるんだ」
「へぇ・・・」
「だけど俺は海が大好きだ!!だから海賊になったんだ!!」
「そうか」
「ゾロは?」
「ん?」
「ゾロは、・・・何で世界一の剣豪になろうと思ったんだ?」
「・・・俺は、」



そういえば、仲間になってから自分の事を話していなかった。ルフィなりの、自己紹介をしてくれたのだろうか。
波の音が響く。



「約束、したんだ。大事な奴と」
「・・・」
「必ず、世界一の剣豪になるってな・・・約束は守るもんだろ?」
「しししし・・・そうだな!!」



いつも大事にしている麦わら帽子を押さえながらルフィは満面の笑みでゾロに笑いかけた。



「ゾロ」
「・・・あ?」
「やっぱり俺の目は正しかった!!」
「??」
「最高だ!!ゾロ!!」
「・・・俺も、お前についてきて良かったよ」






その時、とても嬉しかった事を覚えてる






「よし!!じゃあ儀式をやろう!!!!」





そう言うとルフィは大事な麦わら帽子を青い空へ思いきり投げた








・・・





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