サイト一周年企画
□隠し味は・・・?
2ページ/4ページ
危なっかしく包丁を握る様は、あの海賊狩りと恐れられた剣士の姿とは180度違っていた。珍しい姿にキッチンに集まるギャラリーは増えるばかりだ。大根を剥くだけでも何十分とかかるゾロにイライラとしていたのはサンジだった。
「お前、不器用だなぁ・・・手ぇ出したくなる」
「うるせぇ。てめえと一緒にすんな・・・手出したら殺す」
「はんっ、言ってろ。手伝ってほしいって思ったって手伝ってなんかやんねぇからな」
バチバチと火花が散る様は正しく喧嘩なのだが、ルフィにしてみれば仲睦まじい馴れ合いでしかない。少しピリリと心が痛んだ。
「・・・ったく、」
「ゾロ」
「あぁ??」
ルフィの呼びかけにゾロはぱっと振り向く。ルフィはニッコリ微笑みかけて
「俺の事思って作れよ?」
そう呟いた。
「当たり前だろ、誰のせいだと思ってんだ」
今は怒りでお前しかいねぇよ、とゾロも同じように微笑んだのだった。