朱色の翼
□再び
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「しっかし暑いねぇ〜」
今日は雲の無い快晴。
快晴と言えば聞こえは良いが、逆に言うと太陽を隠すものが何もないとも言える。
僕はちらっと、隣で一緒に街を歩いている加藤君に視線を向ける。
「何で君はそんなに涼しげなのさ…」
「ん、何だって?」
汗だくの僕の一方で、加藤は汗一つ掻いてなく、飄々と歩いていた。
「いや、暑くないのかなって」
「…そりゃ、能力のせいだな」
「能力の?」
「ああ、俺の能力は『フェニックス』。
細かく言うと、『フェニックス』の中の『炎』ってのが俺の能力なんだ。
その『炎』の能力の副作用で熱や暑さに強くて、反面、寒さとかには滅法弱くなってんよ」