頂き物&捧げ物
□ひどい貴方
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「………………ん」
ピアノの音が止む。
「…鳴海さん?」
「ああ、ちょっとな」
そう言って、目の前の机に置いた、ピアス―――二年前に彼女に預けたピアスを手に取る。
「手を出してくれ」
「へ?」
イマイチ理由が分からない彼女に歩は「いいから」、と言って無理矢理、手を取る。
そして、ポンと彼女の手の平に置かれるピアス。
「もしまた会うことがあれば、その時返してくれ」
あの時と同じ行動。
そこまでして自分に会いたいのかと、彼女は感じ、微笑んだ。