頂き物&捧げ物
□ひどい貴方
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「まぁ、次会えるかどうか分からないけどな」
歩はそう微笑み、頭の部分を立ててあるベッドに寄り掛かる。
同時に彼女に過ぎる、嫌な予感。
「鳴海さん……?」
彼女は歩に呼び掛けるが、返事はない。
「鳴海、さん…?」
また、返事がない。
「鳴海さんっ!!」
彼女は不安が極まり、急いでナースコールを鳴らす。
「どうしましたかっ!?」
一分も経たぬ間に歩の主治医と思われる人物と、看護婦数名が入って来た。
「…鳴海さんがっ!鳴海さんがっ!」
「―――――ッ!
早く手術室へっ!」
彼女の焦りようで、危険と感じとったのか、主治医は迅速な指示で歩を手術室に連れて行った。