gift
□あなたに感じるこの鼓動
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最近のセンセの態度がちょっとおかしい。
今までだったら抱きついたりしたら、ちょっと困りながら笑顔で「危ないでしょ」とか言うのに。
今では顔を背けながら、注意する。
…まるで避けているかのように。
やっと目が合ったと思ったら、すぐに目を逸らしちゃう。
ねぇ、センセ。ゴロちゃん、何かした?
ゴロちゃんは…、ううん、ボクは意味もなく避けられたりしたら辛いよ。
相手がセンセなら尚更。
その日の補習。
悠里は相変わらず、悟郎と目を合わせないように補習をしていた。
「…じゃ、じゃあ次はこのプリントの問題を解いてね。」
明らかに挙動不審な悠里に対して、悟郎は思い切って聞いてみた。
「…ねぇ、センセ。ゴロちゃん、センセに何かした…?」
「え…?」
「最近ゴロちゃんのこと避けてるでしょ。」
「それ…は…」
口ごもる悠里に悟郎は更に問いかける。
「…ボクはセンセにだけは、嫌われたくない…」
「違うの!」
悠里は悟郎の言葉を遮りながら、叫んだ。
「違うの…、嫌いなんかじゃない。ただ…、ドキドキするの…。」
「え?」
悠里は顔を真っ赤にしてそのまま、俯いてしまった。
センセ…、そんなに真っ赤にしてドキドキするなんて言われたら、誰だって期待しちゃうよ?
「ねぇ、センセ…。そのドキドキの意味、教えてあげよっか?それはね…」
ー相手に恋をしている証拠ー
fin