遊戯王
□徒然闇
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「で?…何考えてた」
バクラがゾークを睨む。
今のバクラの姿は盗賊王。懐かしき三千年前の姿。
対するゾークは現世のバクラの姿である。これが一番慣れているようだ。
「…早く力を取り戻したいものだ」
「…」
ゾークは身体を折り曲げ、膝を腕で抱える。
精神体なので浮かんだまま座る体勢になっている。
「早く力を取り戻し、彼の姿へと戻る。
…我は神だ」
両腕を広げる。その顔に笑みが浮かんでいた。
「わかるか?人々は神を崇めるべきだ。
だが愚かな民は愚かな王を崇める。人間が人間を崇めているのだ」
「……」
バクラは何も言わない。
ゾークの言葉を無言で聞き入れる。
「人間は愚かなものだ。例え相手が王であろうとも、同じ人間だというのに」
「…そう、だな」
「気を落とすな、バクラ」
ゾークはバクラの顔にそっと触れる。
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