遊戯王
□終わりを迎えた闇
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「獏良了」
なあ、オレ様は上手に笑えてるか?
初めて名前を呼んだ気がする。
宿主に、そっとキスをした。
きっと、オレ様からしたのは初めて。そして、最後になると思う。
唇を離した。
不安そうにこちらを見る瞳に笑いかける。
「お前に逢えて 本当によかった」
大好きだよ。
宿主の涙に気付かない振りをして再び歩き始める。
大丈夫、オレ様はちゃんと笑えていた。
光が強くなる。
浄化されるのがわかった。これで終わり。
オレ様はここで消えて、物語はハッピーエンドで終わるのだ。
静かに目を閉じる。
「…バクラ…バクラああぁっ!!」
悲痛な声も、聞こえない振りをする。
優しいやさしい宿主サマ、でもオレ様には応えることはできない。
「 」
掻き消されそうに、でも確かに聞こえた言葉。
宿主を見る。涙でぼろぼろだ。
オレ様の頬に流れるものに、気付かない振りをした。
最期に、笑みを浮かべて。
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