任天堂
□なきむし
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亜空間の中。
奇跡的に、フィギュアから復活することができたルイージ、ネス、デデデにより、次々とメンバーが復活していく。
まだ全員は集まっていない。
だからこうして、亜空間の中を彷徨っているわけだが。
「…怖い?」
「うん、…怖い」
いつもより元気のない表情で、こくりと頷く。
怖い。
ルイージが常人より怖がりであることは知っていたが、心底怯えている様子を見るのは初めてかもしれない。
彼が怖がっているところは、大体オバケだとか幽霊だとか暗闇だとか、そんな些細なことでしかない。
今は亜空間の中だが別段暗くはないし、オバケや幽霊などといった大層なものがいるわけでもない。
もしかしたら、と。
ファルコはふん、と鼻で笑ってみせる。
案外、くだらないことなのかもしれない。
「……いまさら、怖気づいたか?」
まさかそんなわけないだろうと思いつつ、ファルコは問いを投げかける。
彼らチームの中ではトップクラスの実力を持っている彼が、亜空軍なんてわけのわからないものに怖気づいているわけはないだろう。
(正直認めたくないが)ルイージより実力が下である自分ですら、全く恐怖は感じていないのだから。
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