□寂しがり兎
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「ねえねえ見てバクラ!」
「んだよ宿主…テンション高ぇな…」


「ウサギ拾った」




ウサギ拾った。

だからなんだよ。
バクラはそう言い返してやりたかった。やりたかったのだが、あの嬉しそうな獏良の表情を見るとその気が引けてしまった。
あんな無邪気な笑顔を向けられてはそんなことは言えない。言う勇気がない。

「ほら、たんとお食べ〜」

現在真っ白なウサギは目の前に出現した野菜たちに夢中になっている。そうとうお腹が空いていたのが目に見えてわかる。
それを獏良は微笑ましそうに観察していた。時折その身体に触ったりしながら。

「可愛いねー、凄い勢いで食べてるんだけど。バクラ、見習ったら?」
「そんなベジタリアン生活送りたくねえよ」
「違う違う、ボクに這い蹲って食べるのを見習えと」
「Σ人間扱いさせろよ!」

冗談だよ、アハハと笑う獏良にバクラは一瞬未来に絶望した。
この宿主ならやりかねない気がする。
いつの日か彼の前に這い蹲ることがないように祈るしかない。
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