その他

□拒絶
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今までのオレはどんな風にお前に映っていたんだろうな。
でも、一つだけわかることはある。
お前が見てたオレは、あまりに綺麗過ぎた。



小さい身体を抱き締める。
昔から変わらない。マーカーが増えたくらいだろうか?
微かに嗚咽をあげて、クロウは身体を震わせている。
嗚呼、怖いのか?

「…クロウ」
「っ、放せよ、……鬼柳を、返せよ!!」

酷い言い草だ。オレだって鬼柳なのにな。
クロウの瞳から、ぼろぼろと涙が溢れて落ちていく。
その涙を優しく指で掬い、視線を無理矢理あわせた。目は真っ赤になっている。

「クロウ」
「……」
「オレも、鬼柳なんだぜ?」

そう、囁くように言ってやるとまた涙が溢れ出した。
こいつ、こんな泣き虫だったかな。
こんなに泣かせたいわけじゃないのに。
小さくため息を吐いて、その涙を今度は舌で綺麗に舐めとる。

「笑えよ、クロウ」

昔のお前見たいに。
太陽みたいな笑顔で、オレを満足させろよ。


何を言っても彼は泣きじゃくるまま。
彼にかけるべき言葉が見つからない。
面倒だからいっそ首を絞めてやろうかとも考えたが、とりあえず考えただけで実行しようとはしない。

どうやって、こいつを笑わせようか。
少しだけ考えたが、やはり考えはつかなかった。



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