その他

□ドールは牙を剥いた
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ぎり、と方天画戟を握る拳に力が入る。
そこらの兵卒ならば睨むだけで射殺せそうな鋭い眼光で目の前の男を捉える。
文官が扱う割には大きすぎる刃弓を携えた陳宮は少し怯えたような、しかし明らかな敵意を宿した瞳でこちらを睨みつけていた。
嗚呼、と呂布は苛立ちを隠そうともせずに溜息を吐く。
陳宮が如何に優れた弓術を持っているといえども、天下無双と謳われる自分を相手に勝算などあるはずがない。
例えあらゆる策を張り巡らせたとしてもそれを全て力で凌駕するだけだ。
呂布はふんと鼻を鳴らす。これまで、自分はそうして戦ってきたのだ。今更負けるはずがない。

「…君らしくないな、陳宮。勝算もないのに俺に挑もうと言うのか」

問い掛ける声は思ったより非情の色が込められていた。
陳宮の怯えが強くなった気がする。だが敵意は未だ収められることはない。
ふう、と息を吐く。今度は呆れた吐息だ。
方天画戟をゆっくり構える。
それと同時に陳宮も矢を取り出した。どうやら本気で刃向かう気のようだ。

それも面白いな。
呂布はふとそう思う。
どうせ自分が勝つだろうが、本気の部下と闘り合ってみたかった。

「こい、陳宮」

自分は根っからの武人なのだ。
呂布の口角が吊り上がる。
殺さないように、加減しなければならないのが少しつまらないのだが。

「俺に逆らった君を裁いてやるよ」



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元旦に更新したお話にしては血生臭い
正月とか知らんし(…

天野月子の劔を聴いてたら呂陳が堪らなくてうふふってなったの うふふ
陳宮なんも喋ってない…喋らせたかったな
ちなみに呂布に策を受け入れてもらえない陳宮が離反しようとしたよって話でした。
実際には離反してないから間違えて覚えないでね!!(

俺様イメージが強い呂布だけど、二人称が「君」だったら可愛いなぁと思った
そんだけ(

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