BASARA

□春はこれども
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まだ、 華はこない




この強い雨は、まだ続くと、予報士が騒いでいるのを聞いて、がっくりした。

せっかくの桜なのに。
このままでは雨に打たれて花びらが散ってしまう。


あー、とため息をついて外を見た。
京の人々が傘を持って急いで走っている。
雨を防ぐ傘も意味を成してはいなかった。

桜が咲いたのだから、確実に温かくはなっている筈なのに。
こう雨が降ってはとても春だとは思えない。


あいつ、楽しみにしてたのにな。


再び、ため息をついた。

花びらが舞い散る美しい都を、
あいつにも見せてやりたかった。




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