BASARA

□そうして星は闇を見る
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*官兵衛以外豊臣方みんな死んでるので注意。






夢を見た。酷く懐かしい夢。
まだ、自分が豊臣にいた頃の記憶。


庭に朝日が差し込む。
草木が橙色の光を反射して、それはとても綺麗な景色だった。

縁側に座してみれば、庭の中にまだ幼き石田三成と、大谷吉継がいた。(この頃はまだ佐吉と紀之介だったか)
隣に座るは竹中半兵衛、その横に豊臣秀吉。
笑っている。
みんなで、庭に集まって。

嗚呼、懐かしい光景。
この頃は相変わらず不運だらけだったけれど、なんだかんだで楽しかった気がする。勿論、天下は獲るつもりでいたけれど。

幼い三成が笑う。もう見ることはなかった、純粋な笑顔。
秀吉と半兵衛にかけよって、刑部はその後ろに、やれやれといった様子でついていく(しかし幸せそうだ)。


微笑ましい光景。
後に崩れていくなんて、この中の誰が想像するものだろうか。
(幸せなんぞ、呆気なく崩れるもんだな)
これが、二人の幸せだった。


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