任天堂
□狂った意識
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一瞬、何が起こっているのかわからなかった。
久しぶりに再会した弟は別れる前と全く変わっちゃいなかった。
何にでも怖がって、いつも泣き虫で、誰にでも優しくて。
そう、優しかったのだ。
争いが嫌いで、極力避けようとしていたのに。
なんで、?
「…ルイージ…?」
血に塗れた亜空間。
マリオは呆然と立ち尽くし、座り込んでいるルイージを見下ろした。
亜空間を創り出した者の僕たち…だろうか。
無残にもただの肉片と化したそれはそこらに転がり、血溜まりをつくるだけ。
弟の瞳は何も映さず、ただそこに座り込んでいた。
その表情は、どこか虚ろだった。
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