任天堂
□戯れ
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まず動いたのは赤色だった。
容赦なく振り上げられた拳を、緑色はひらりと避ける。
赤は動きを休めることは無く、地面に片手をついてそのまま回し蹴りをかました。
追撃に緑は今度は避けることはせず、それを腕で受けた。
ぱしんと、乾いた音が響く。
お世話にも長いとはいえない脚を受け止めた手から、音がした。
パチッと火花が散るような音がしたのを聞き取った赤がさっと緑から離れる。
その手に流れるのは、おそらく雷。
ひゅっと口笛を鳴らした赤が、再び構えた。
その様子を、二人から少し離れたところに座っているワルイージが見ていた。
いつものように邪魔をしに来たのだが、どうもお取り込み中のようだった。
マリオが再び動き始める。
スピードとパワーに優れたマリオは懐に入って一気に終わらせるようだ。
対するルイージは落ち着いており、そんな兄の戦法など読んでいるかのようにそれを受け流した。
そして横から、勢いをつけて腕で突く…いわゆる"地獄突き"だが、マリオはそれをひょいとかわした。
ワルイージはため息をつく。
こいつら、絶対人間じゃない。
動きに一切の無駄がない。戦人でも見ているようだ。
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