遊戯王
□うらみごと
1ページ/6ページ
気が付けば、一人闇の中に佇んでいた。
ここは心の部屋、
宿主の、あの摩訶不思議な空間とは違う、
ただ闇が広がるだけの心の中。
『帰ったか、バクラ』
突然耳元でささやくように言われ、思わず振り返る。
「我を待たせるとは、偉い身分にでもなったつもりか?」
そこに立っているのはオレ様の"主"のような存在で。
オレ様そっくりな姿だけは勘弁してほしいと思う。
(オレ様が闇に呑まれたらこんな感じになるのだろうか)
彼は笑みを浮かべていた。
そこには感情などないことを、オレ様はずっと前から知っている。