遊戯王
□宿命>本心
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何度も何度も夢見る。
はっきりしすぎて夢かどうかもわからない。
目の前で泣きじゃぐる男。
そう、子供ではなかった。白い髪、肌、ボクと同じような服を着て。
子供ではなかった。大人でもない。ボクと同じような身体。
暗い闇の中、彼はただ泣き続ける。
座り込んで、顔を伏せて、ただひたすら。
毎度毎度同じなのだ。
彼が泣いている。いつもいつも。
闇がざわめく。その度に彼は叫ぶ。
嫌だ嫌だとまるで子供のように喚くのだ。
そして、いつものようにボクは彼を庇うように闇に立ちはばかる。
自分の意思でそうしたいわけではなく、身体が勝手に動いているのだ。
闇に怯える彼はうずくまったまま。
ボクは彼を安心させようと、しゃがんで腕をまわそうとした。
彼が顔を上げた。そして口を開くのだ。
『許して』
これもまた、いつも同じで。
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