遊戯王

□箱庭の中の駒
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ただ普通に過ごしていたのに。

普通の家庭にいる子供のように、幸せに暮らしたかったのに。



石版の前にしゃがみこむ子供は泣きながら話す。
その周りには誰もいない。
その子供は独りで、誰に話すわけでもなくただ泣いている。


どうして幸せを奪ったの?

どうして優しさを奪っていくの?


子供は石版に縋る。

この石版に七つの道具をはめれば力を手に入れることができる。

子供は知っていた。村が襲われる前から。
村が滅ぼされる前から。
だから最初にこの石版に縋った。


ゆるさない、
絶対王をゆるさない、


そう誓ってから、既に数年が経っていた。

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