BASARA

□ガラクタの心
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「半兵衛?」

声を掛けられ、半兵衛はハッと我に返った。
親友が、心配そうに半兵衛を見ている。

それを見て、半兵衛は顔を強張らせる。

「どうした?…何か、あったか」
「…う、うん…何でもない…」

大丈夫だよ、と呟くように返す。
それに、秀吉は「無理はするな」と声を掛けた。半兵衛はそれに頷く。
尚、秀吉は半兵衛を心配そうにしていたが、無理強いはせずに部屋から出て行った。


欲しい物など、手に入れてしまえばそんなものなのだ。
半兵衛は広くなった空間で、座り込んだままだった。
裾を握る指に、力が込められる。
秀吉の「欲しい物」だった自分も、いつかは飽きられ、捨てられ、忘れられてしまうのだろうか。

彼が惚れた、いつかの彼女のように。

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