BASARA

□小話
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不運な男の話。
※死ネタ+鬱注意



みんな揃いも揃って小生のことを馬鹿にしやがって。
人を馬鹿だと罵る奴が馬鹿だと教わらなかったのか?小生は馬鹿じゃない。

目に物を見ろよ、
小生だってただ虚勢を張って「天下が欲しい」だなんて口にしてるわけじゃない。自信があるからだ。小生なら天下を獲れると自負しているからだ。小生には慧眼という武器がある。
だからお前さんたちをぶちのめして小生は天下を獲るんだよ。
そうすれば、お前さんたちだって小生に恐れをもって逃げ出してざまあみろ、だ。


現に、小生は天下を獲った。
お前さんたちをぶちのめして天下を戴いたんだよ。
小生にも力があることを、今ここに証明したんだ!


「だから、なぁ、」

小生を見ろよ、天下を獲ったんだぞ。
どうして誰も見ない。
どうして誰もいない。
小生を認めてくれ、
小生を見てくれよ、誰か、
誰か、誰か、誰か。


(独りぼっちの天下獲り)



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みんなに見てほしくて、みんなに認めてほしくて天下を獲りたかった。
天下を獲るためにみんなを殺した。
天下を獲ったけど誰もいなかった。
天下を獲るために「認めてくれるみんな」を殺してきたから。
矛盾と不運の官兵衛さん。
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