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□狂った意識
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「…ルイージ、」

もう一度声をかければ、ルイージはぴくりと身体を震わせる。
顔を少しだけ動かして、瞳だけで兄を見つめた。

その頬にべったりと付いた血を見、マリオは絶句する。
恐怖?俺が?弟に?
無二の弟に、恐れてはいけない。
マリオは心の中で必死に自分を奮い立たせた。そう、ルイージは何も変わっちゃいない。そう、思い込んで。

「何が、あった…?他の奴は?」
「…にいさん」

問いには答えず、ルイージはその場で立ち上がる。
兄を呼び、何も表さなかった表情に笑顔を浮かべる。
顔や服に飛び散った返り血が、より一層恐怖を引き立てていたが。

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