遊戯王
□それだけの価値
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「ボクは誰?」
「…宿主、サマ」
「そう、ボクは宿主サマ。
君より上の立場に居る」
顔を上げて、と促され、バクラは伏せていた顔、瞳をゆっくりとあける。
目の前には"宿主"が楽しそうに笑っている。
「これからボクが言葉を言うから、君はそれを繰り返して。
言えなかったら罰ゲーム」
「…はい」
表とはまるで逆の立場。
今のバクラはまるで肉食の獣に狙われた小動物のようである。
目の前に立つ天使は悪魔だった。
「『オレは出来損ないです』」
「……ッ」
唇をかみ締める。
獏良はバクラを冷ややかに見つめた。
「?言えない?そんなに難しいかな」
「……」
バクラは強く目を瞑る。
「…オレは出来損ないです」
屈辱と悔しさに、涙がでそうだった。
対照的に獏良は嬉しそうに笑う。