短編小説
□PM6:00のティータイム
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……少し眠ってたのかな。
思うように開かない瞼を伏せたまま、心地良い感覚をキープしている。
耳を澄ますと、カサカサとリズム良くトランプを操る音が聞こえてくる。
俺にとって最も安心する時間で
最も焦れったい時間。
『PM6:00のティータイム』
今、ここは楽屋の中。
んで、ニノと2人でお留守番中ー。
寒くも暑くもない、丁度良い温度が体を包み、眠気を誘う。
この穏やかな空間が、俺には最高に居心地が良く感じるんだ。
二度目の眠りに入ろうかと思ったとき、不意にトランプの音が止まる。
「大野さん…?寝てる??」
ニノが小声で聞いてきた。
「んーーー。」
起きてるよ。って感じで右手を挙げて応答し、ついでに重い瞼を少し開けた。
「ふーん。そう。」
ニノは興味無さそうに返事をするが……
俺はおまえが微笑んだとこ見逃さなかったぞ。
その笑顔が、たまらなくかわいいんだわ。
「…かわいいな。」
別に言おうと思って言ったわけじゃない。
勝手に言ってたんだ。
…といったら嘘になるかな。
「…言うなよ〜」
強がってるけど、顔を赤くして言うから照れてるのがすぐ分かる。
本当かわいい…。
ーPM6:00ー
君と過ごす、優しい時間。
-END-