短編小説

□ブレイクタイム
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"パサッ…"


外は日差しが強く、雲一つ出ていない。


それでも、爽やかな風が気持ちいい…そんな朝。


コーヒーを片手に、今日も俺は新聞を広げる。。。





『ブレイクタイム』





1ページめくって、毎日必ず決まった欄にある“それ”。

俺はいつものように“それ”から読み始めた。


「…やっぱ面白れーな、“コボちゃん”!!」


半笑い状態でつぶやく。

つーか、独り言。

誰もいない部屋じゃ、なんか寂しい。

静かで、新聞も読みやすいんじゃないかと思ったけど

…そんなことはなくて。

逆に静かすぎて文字が頭に入りゃしない。


TVつけたら少しはマシになるんじゃないか?


……ダメだ。

TV特有の笑い声が、朝の雰囲気をぶち壊す。


あぁ〜…。

なんか暇でしょーがねぇなぁ〜。


新聞を畳みつつ溜め息をつくと、ふと“ある人”のことが脳裏に浮かぶ。


からかいがてら、俺はそいつに電話してみることにした。



プルルル…プルルル…



「………もしもし…二宮ですけど……」


案の定“そいつ”は寝起きの声で電話に出る。


「もしもし。ニノ寝起き??」


寝起きニノに少しテンションが上がる俺。


「…その声は……翔さん……??」

「ご名答!!」


俺が誰かまで当てられてテンションはMAXに達する。


「……どしたの…??…こんな朝早くに…??」


おとぼけ声のニノ。


「いや、暇だったから。…つーかさ……」


寝起きニノの声といい、おとぼけ加減といい…


「かわいすぎだろ、お前…っ!」


つい言い方もほころんでしまう。


「っ……やめてよ、翔さ〜ん…。」


おぉ。照れてる、照れてる。


「照れんなって。」


からかうのはこのへんにして、そろそろ本題に入るか。


「…そうだ。これから俺んち来ない??」

「ぇ……??……何で??」

「何だっていいだろ。…俺が来てほしいからだよ。」

「……分かった。すぐ行くよ。」


と電話が切れた。


よっしゃ!ニノが来る!!

俺はルンルン気分で彼を待っていた。
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