短編小説
□コトバのチカラ
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リーダーの恋人になってから
かれこれ一週間は経つだろうか。
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《ニノ!好き!!》
《……はぁ…?》
2人きりになった楽屋で唐突にリーダーが言った。
《知ってますよ、そんなの。》
いつもの戯れだろうと思い、俺は自然に受け答えたが。
《違うんだって!…そんなんじゃなくて、もっとこう……》
《………?》
《……とにかく大好きなんだよ!!》
彼なりに、その気持ちに適した言葉を探したんだろうな。
愛してる。って言えば全部伝わるのに。
《……俺の…恋人になって下さい。》
独特な告白の仕方。
なんとなく、そろそろ言われるかもとは思ってたんだ。
だから
なおさら嬉しかった。
《……うん。》
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その後一週間。
俺たちの間には何の進展もない。
いつものように楽屋に来ては
いつものように帰って行く。
俺たち付き合ってんだよな?
なら、ちょっとぐらい進展したって……
なんて事は、隣に座ってるやつには死んでも言えない。
てか、言わない。
気づいてくれないかな?
何度も交差するこの気持ちが
苦しくてしょうがないよ
『コトバのチカラ』